築35年ほどの住宅街に建つお宅です
お付き合いを頂いている塗装工事店さんより
工事を請け負ったお宅に一部不審な箇所があり
診てほしいとご相談がありました
拝見しますと造作バルコニーを支える鉄柱の
上部壁にへこみやひび割れが見受けられます
経験上の引き出しから推察しますと
バルコニーの造りや納め方に問題があり
バルコニーを支える構造の梁や桁などに
何らかの不具合が起きている可能性が考えられます
外観目視だけでは隠蔽されている部位や
傷みの程度がわからないので
部分的に解体し調査しました
調べてみると床や外壁の取り合いから
バルコニー内部に雨水が侵入しており
下地や構造が腐食しシロアリがいます
接する範囲を拡張してさらに調べていくと
建物本体の柱や梁桁にも被害が広がっていて
重症な状態でした
外から見ると外壁の剥離もなく
屋内にもシミなども見受けられないので
お施主様もここまでの状態とは
気が付かなかったとのことです
傷んだ柱や梁のままでは
お家自体の強度を保てないので
構造を屋外側から補強することになりました
構造部が腐食しているバルコニーや
外壁下地を取り去って防蟻剤を散布浸透させ
シロアリ退治を施し、傷んだ柱の横に柱を建て
増柱(ましばしら)に荷重が分散するように
枕梁(まくらばり)を組み込み
構造金物で緊結してから構造合板を張り付けます
合板上に防水処理を施し
左官屋さんに壁を塗り直してもらいました
その後、壁が乾いてから外部塗装改修をして
後付けのアルミバルコニーを設置したそうです
建物に異変や不具合が発生すると
何かしらの変化や兆候があらわれます
以前とは違う現象に気づかれた時には
放置しなければ大ごとにならず
手当だけですむケースがほとんどです
人の体と一緒ですね
シロアリもいなくなり強度も回復しました
お声掛け頂いてよかったです
:木造戸建て:工事費(解体工事+大工工事+左官工事+雑工事など 約¥54万)
※塗装と足場と後付けバルコニーは別です